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学長コラム

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2014年08月20日 水曜日 / カテゴリー 学長コラム

 

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ワールドカップサッカー

 

専守防衛コスタリカを讃え、集団的自衛権行使 日本の敗因をツイートする

 

1.「凄い」としかいいようがなくて
  さすがによく観て様々な角度から分析をしてくれた、元日本代表監督の岡田武史さんが思わずもらした一言に共感した。
「解説者の私がこんなこと言っちゃダメだけど、もう凄いなァとしか言いようがないよ」。決勝リーグに入ってからのどの試合も信じられないようなプレーの続出で、選手の必死さは生物体としての人間の身体機能には限界などないのでは?と思わせた。その中でメッシとルーニーの哀しみ、ドログバのミッション、ネイマールとロドリゲスが若くして背負わされたすざまじい期待、ドイツのメルケル首相の政治的したたかさとゲッツの究極的「いいとこ取り」。語りたいことは沢山ある。
  しかし私が今回のワールドカップで一番心が動いたのは、中米コスタリカと日本のあまりにも違いすぎた結果である。
  この両国は大会直前のフロリダはレイモンドスタジアムでの練習試合で対戦し、3対1で日本が勝利している。日本の自信が天にも登ったことは想像に難くない。

gaku_022.コスタリカという国
  日本とコスタリカは共に世界に誇るとてつもないものを持っている。「平和憲法」である。国の形を非戦の上に築いている。さらにコスタリカは生物多様性の国として名高く、エコツアーが観光政策にもなっている。
  もう十年ほど前になるが、コスタリカ大学法学部の四年生であったロベルト・サモラ君という弁護士志望の学生を旭川に招いてコスタリカ憲法についての話をしてもらったことがあった。土井たか子さんが企画した護憲イベントに便乗させてもらったのである。
  二月の旭川のこととて生まれて初めての一面の雪を見て、ロベルト君は興奮しきりではしゃぐのであった。
  彼はしきりにコスタリカ憲法12条と日本国憲法9条は同一の精神の上に成っていることを語っていた。その12条というのは「恒久的制度としての軍隊は禁止する」「公共的秩序の監視と維持のために必要な警察力は保持する」といった内容である。そして今回の日本の集団的自衛権との対比で興味深いのはその三項に「大陸間協定により若しくは国防のためにのみ、軍隊を組織することができる。いずれの場合も文民権力にいつも 従属し、単独若しくは共同して審議することも声 明・宣言をだすこともできない。」とある。つまり 国防のためであっても「共同して」の審議・声明・ 宣言等を禁止しているのである。

3.ナハスの鉄壁の専守防衛
  ワールドカップ予選リーグ、コスタリカの属するグループDは、今大会で最も過酷な死のグループであった。イタリア・イングランド・ウルグアイそしてコスタリカである。誰がどう見たって戦前予想でコスタリカが一位通過するなど考えられなかったのである。
  ところがである。予選リーグでコスタリカはウルグアイを3対1、イングランドとは0対0で引き分け、イタリアを1対0で破ってベスト16入りしたのである。さらにギリシアを破って準々決勝入り、あのロッペン率いるオランダと死闘を演じたのである。決着つかずの0対0からPK合戦でついに4対3で力尽きたのであった。オランダは三位決定戦であのブラジルに圧勝したことを思えば、コスタリカの戦いの見事さは私の胸に深く刻まれた。そして立ち尽くし哀しい眼でドイツのハシャギ振りを見ていたメッシ・・・。
  コスタリカの輝きは、GKナハスの専守防衛、ナンバー1防御率の故であり、日本の惨敗は己を知らず攻め込もうとした集団的自衛権行使にあったのである。スポーツは時代を反映する。

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