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第5回「他大学との模擬授業交換会」を終えて

2015年03月20日 金曜日 / カテゴリー ニュース

Ⅰ.模擬授業交換会日時および場所

2015年2月21日(土)12:30~17:00

旭川大学経済棟 305教室 201教室 202教室

 

Ⅱ.授業者

札幌学院大学,名寄市立大学,北翔大学短期大学部,北海道教育大学札幌校および旭川大学の計6名の学生が授業者となり,模擬授業を行いました。教科は高等学校公民科(政治経済・倫理),中学校社会科(歴史的・公民的分野),中学校理科,小学校社会科でした。

 

Ⅲ.模擬授業交換会について

模擬授業交換会は2009年度に第1回が行なわれ,2011年度は吹雪のためにやむなく中止になりましたが,今年で第5回目を迎えました。教職希望の学生相互の学びの場であることはもとより,日常的な教材研究,学習指導案の作成や検討,模擬授業や研究協議などを通じて,効果的な以下の場となることを目的としています。

・スキルアップのための「経験の場」

・学びを深める「交流の場」

・教育や教職への「意識を高める場」

 

Ⅳ. 今年度の模擬授業交換会について

名寄市立大学は授業者が2名おりどちらも高校公民分野で、Aさんは啓蒙思想と自由民権思想について、Bさんは平和主義と自衛隊、札幌学院大学のCさんは中学校社会科歴史的分野の第2次世界大戦後の教育・経済の改革,教育大学札幌校のDさんは中学校理科地学分野の地震の初期微動と主要動を引き起こすP波とS波の性質、北翔大学のEさんは小学校社会科の縄文文化の特色についての授業を行いました。

旭川大学を代表して授業を行ったFさん(経済学部2年)はゼミ活動の一つである沙流郡平取町二風谷合宿において学んだ事を題材に授業をつくりました。二風谷は日本の先住民族であるアイヌ民族が日本で最も集住している場所です。

授業ではまず1973年に着工され,1997年に完成した二風谷ダムの建設及び運用について焦点を当て同ダムのメリットやデメリットを生徒役の大学生に考察してもらいました。生徒役の学生たちはそれらがどのように人々の権利につながっているのかを考え,権利の対立が存在していることを把握しました。そして,現在建設予定である平取ダムについての是非について考えました。授業最後の「深める」の段階ではある地域住民の方がこの授業づくりのために私たちに寄せてくれた意見を読みました。課題としてはそのうえで平取ダム建設の是非について意見をまとめて,その方に手紙を書くように指示して授業を終えました。

全体の振り返りでは松田剛史先生(旭川大学,苫小牧駒沢大学,名寄市立大学非常勤講師)に総括していただきました。先生からは教師には「想像力」が重要で,そのためには「言語活動の充実が必要である。」とコメントをいただきました。模造紙に生徒の意見を書きだす,実験をする,手紙を書くなど様々な活動を,学生たちなりに授業の中に組み込んでいました。松田先生の指摘を受けて,どんな情報を生徒に伝えられればより考えることができるか,どのような働きかけをすればさらに生徒が考えることができるか,についてさらに考えさせられました。実際にある学生は「生徒が考えるために必要な情報を伝えることが難しいと実感した。」とコメントしています。

この経験を踏まえて私は「ふりかえる力」が授業をつくるうえで最も重要であると思います。自分が行なう授業で生徒が得られるもの,獲得して欲しい力,実際に得た力について教師がじっくり考察することができなければ,生徒は授業で何も得ることができません。

最後になりましたが、第5回模擬授業交換会を実施するうえで多大な御尽力をして下さった松田剛史先生、北翔大学短期大学部の菊地達夫先生、旭川大学の教職員の皆様、お忙しいところ遠方から来てくださった卒業生で現職教員の皆様、本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。私たちはこの活動を通して得た学びをさらに深め、より良い教員になることを目指します。

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