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地研ニュース

平成28年度 第1回 旭川大学地域再生研究会を開催しました

2016年06月09日 木曜日 / カテゴリー 地研ニュース

去る平成28年5月27日、旭川大学地域研究所は第1回旭川大学地域再生研究会を開催いたしました。
旭川大学地域再生研究会はより広く地域を学び、そして「地域再生」の政策提言を行うことをひとつの方針としています。その第1回目となるテーマを「地域再生を考える視点について」と題し、講師に松岡昌則先生(旭川大学保健福祉学部コミュニティ福祉学科 教授)をお招きし講演していただきました。

はじめに、松岡先生は「地域再生」を「住み続けることのできる地域の形成(協住空間の形成・構築)、暮らしの維持・向上(安心して地域のなかで暮らせる生活の取り戻し)」と定義し、それを踏まえて地域再生研究会は地域課題の克服・改善・解決の方策を議論・検証・実践していく必要があると指摘しました。
地域再生の考え方としては産業振興のみならず意識・行動を含んだ生活を総合的に把握し、全体として住み続けることのできる条件の構造的分析とその整備の方向を明らかにする。また地域再生の主体である市民・住民の側からどのように動くことができるかを示すことが大切である。その際の検討事項として住民の意欲の結集と合意形成は不可欠であり、また住民の組織化・組織間連携の構築、政策立案と提案といった制度設計、解決にむけての地域活動計画の作成と実践が必要であると報告しました。
また自治体・商工会議所・市民団体等との連携・協力体制づくり、「ふるさと創生塾」などを主催し人を呼び込み、共に地域課題を考えていくといった地域住民への協力や働きかけが重要である。こうしたなかで多様な地域課題の整理のあり方は地域づくり学習(シンポジウム等)、地域福祉の充実、地域資源の活用等の「分野別」。そして地域のなかに日常の生活を補完するシステムの確立、高齢者の日常生活の困難性をどう補完するかという「目的別」の大きく2つの整理方法があり、個々の地域の実情に沿った取り組みが考えられなければならないと報告しました。

後半の質疑では、「重要な点は住民の自主性や意欲、またいかに自発的に行動するかということであり、地域に関わる人々の意欲を高めていけることが望ましい」、「行政が呼びかけると集まりは良いが継続性という点を考えると、主体的に地域づくりを話す場へ行きたくなる空間が必要である」、また「まちの空気が動いている感じがあり、人口が増えている地域はどこに魅力があるのか」、「地域再生を考えるときの基本は“内なる眼と外なる眼”の統一であり、地域に入る際に長いあいだ地域住民と共に“遊び”ながら“自分たちで自分たちの地域をどのように再生していくか”を自発的に考え政策提案していくことが重要である」等、学際的な質疑が多数あり活発な議論がおこなわれました。最後に松岡先生には大きな拍手が送られ、研究会は大盛況のうちに閉会しました。

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