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私の地域研究活動

第3回 私の地域研究活動

2017年10月05日 木曜日 / カテゴリー 私の地域研究活動

横田宏樹(経済学部准教授・地域研究所運営委員)

私は地域研究として「旭川家具産業」の研究に取り組んでいる。私は2014年春に旭川大学に赴任するまでは、旭川家具について何も知らなかった。しかし家具としての製品的魅力に興味を惹かれたのはもちろんであるが、私は家具産業がこの地で興り、そして発展してきたその歴史的ストーリーに強く関心を持った。それは、木という森林資源がただ豊富にあったからという単純な理由ではなく、旭川という地域社会と家具業界が密接に関わり合いながら長い歴史のなかで作られそして作り直されてきたものであり、家具産業は旭川地域の社会的・経済的発展と歩みを共にする地場産業である。そこで私は旭川家具産業について学生たちも巻き込みながら研究を始めた。しかし、今日、若年者を中心に旭川が木工・家具の街だということを知らない地域市民が多くなっていることに驚いた。先人たちが人生をかけて作り上げ、旭川地域を象徴する家具産業が近い将来、もはや地域産業としてではなく単なる一産業になりかねない状況にある。こうした地域経済や地域産業が困難な状況だからこそ、旭川の地域資源としての家具産業のものづくりやその歴史をより多くの地域市民および国内外の人たちに伝え、そしてこれからの地域経済と家具産業の持続的な発展のための学問的貢献をすることこそが、旭川大学経済学部に籍を置く経済学研究者としての私の使命であると思う。

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