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齋藤ゼミ

教職履修学生のワークショップ「教育実践講座」を実施しました。

2020年12月30日 水曜日 / カテゴリー 齋藤ゼミ

12月20日(日)に旭川大学にて教職課程を履修する学生を対象に「教育実践講座」を実施しました。

今回の実施した目的は3つあります。1つ目に「学校における現場経験から得た課題の共有」です。2つ目に「現場経験からの課題をより広い視点から考察すること」です。3つ目に「グループワークを通じた教職課程を履修する1~4年生の交流」です。今回は1〜4年生まで27人の学生が参加してくれました。4グループに分かれて90分間でワークショップを行いました。

まず初めにアイスブレイクをしました。自己紹介の後「どんな中学生だったか」、「先生として中学生の自分に接するならどう接するか」についてそれぞれ話してもらいました。「中学生の自分とは関わりたくない」など様々な意見が出てきました。

次に今回のテーマである学校現場での生徒対応についてのグループワークを実施しました。齋藤ゼミナールが実際に学校現場に行き考えたことや、疑問に思ったことを詳細に書いたプロセスレコード(対人相互作用の記録文章です。自分の感情や意図なども記録します。看護臨床現場などでよく使われます。)を用いて事例を紹介しました。今回は4つのテーマから選択制にしました。

  • 放課後学習サポートの場面で、勉強に集中できない生徒から話しかけられた際に、どのように勉強に集中してもらえるように働きかけるか。
  • 部活動指導の場面で集中して練習しない生徒にどのように対応するか。
  • 自己否定的な感情が強い生徒にどのように接するか。
  • 放課後学習サポートの場面で、1人で勉強している生徒にどう接するか。

参加者には自分がその場にいたとしたら、そしてその学校の先生ならどのように対応するかも考えてもらいました。

事例を選んだ後に、リフレクションの世界的な研究者であるフレッド・コルトハーヘン(ユトレヒト大学名誉教授)の「8つの窓」(下図参照)を用いて、自分と生徒の気持ちを考察しました。

グループディスカッションでは「対応が難しい」「私ならどうするか」「プロセスレコードを書いた学生の対応は間違っていなかった」など様々な反応がありました。ゼミ生のなかには中学生の頃に気持ちの整理がうまくつけられずに学校に通うことができなくなった学生もいます。中学生に共感できるからこそ生徒の気持ちを想像して「寄り添う」ことに努めたという体験談もありました。その話を聞いた同じグループの学生が「自分の過去を話すことで生徒から『この人なら話してもいいのかな』と思えるような信頼を得ることができたので、判断は間違っていなかったのではないか」というような指摘もありました。

今年度は新型コロナウイルスの蔓延により学校現場を十分に経験できていません。しかし今回の教育実践講座では、教育職としてとても重要な生徒との関わりについて多面的・多角的に議論し、それぞれがより考えを深めることができました。私たち齋藤ゼミナール、教職課程を履修する1~4年生にとっても非常にいい経験になったと思います。このような状況であっても無理なくできることを主体的に考えて、工夫をしながら地道に積み重ねていくことが大事であるということを学ぶことができました。

最後になりますが、今回ご参加いただきました旭川大学教職課程の学生の皆様ありがとうございました。次回もご参加よろしくお願い致します。

「8つの窓」

参考文献 Korthagen, F.A.J. et al. 2001. Linking practice and theory: The pedagogy of realistic teacher education. Mahwah, N.J.: Lawrence Erlbaum Associates, Inc.p.214)を一部変更して使用した。(翻訳:佐々木優汰)

(文責 経済学部2年 佐々木優汰)

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