◆リチャード・カーン(Richard F.Kahn 1905ー1989)は、1920年代末に、ケインズに就いて経済学の研究を始め、当時、
ケインズを取り巻いて活躍していた若手経済学者グループの中で、中心的・指導的役割を演じた人である。
ケインズの革命的な業績の一つである「国民所得の乗数理論」は、カーンによる「雇用乗数」の概念がベースに
なっていることはつとに有名である。
◆本コレクション(全351点)は、マーシャル、ピグー、ケインズ及びカーンを始め、「ケンブリッジ学派」の基本的文献を
ほぼ網羅している。この中で、ケインズ関係のものは、未刊行の手稿をはじめ83点である。
また、カーンの書簡や手稿なども含まれている。
◆目録として「Professor Lord Richard Kahn's Library of the Cambridge School of Economics from Marshall to Keynes」
(旭川大学図書館、1993年11月発行)がある。