平成25年7月24日付で当該短期大学からの申請を受け、本協会は第三者評価を行ったところであるが、評価の結果、当該短期大学は、自らの掲げる教育理念の実現及び教育目標の達成に向けて改善に努めており、本協会が定める短期大学評価基準を満たしていると判断した。
上記の判断に至った事由は、おおよそ次のとおりである。
当該短期大学はその前身である「旭川裁縫専門学校」創始者の澤井兵次郎氏の意を継いで「地域に根ざし、地域を拓き、地域に開かれた大学」を建学の精神に掲げ、昭和39年に設立された。平成23年より、半世紀近く続いた女子短期大学から男女共学の地域に根ざした高等教育機関として生まれ変わった。生活学科生活福祉専攻、生活学科食物栄養専攻、幼児教育学科において、各種資格・免許を取得した地域社会に有為な人材を送り出し続けており、地域の大学としての社会的使命を果たしている。
教育目標は、「1)現代社会における人間生活の再生産の基本的仕組みを科学的に理解しうる社会人の育成 2)教育、福祉、食生活文化を通して地域社会に貢献する職業人の育成 3)21世紀の世界を生きるにふさわしいグローバルな視野と人間性を有する市民の育成」として明確に表明されている。
教育目的・目標は教授会で点検し、教職員に通知し、学習成果は定められている。教職員は「自己評価委員会」を中心に、自己点検・評価活動を適切に実施し、FD、SD等をとおし、各部署で協力してPDCAサイクルで改善を図り、平成20年度の第三者評価における「向上・充実のための課題」への対応を誠実に行うなど、積極的に活動している。なお、評価の過程で、自己点検・評価活動の報告が学内にとどまり、学外に公表されていないという早急に改善を要する事項が認められたが、その後、機関別評価結果の判定までに改善されたことを確認した。今後は当該短期大学の継続的な教育の質保証とともに、その向上・充実を図るためにも適切な自己点検・評価活動が求められる。
学位授与の方針はシラバスやウェブサイトに掲載し、広く公開している。教育課程は、教育課程編成・実施の方針に沿って編成され、学位授与の方針に対応している。入学者受け入れの方針は、入学案内及びウェブサイトに明示している。
基礎学力不足の入学生対策として、「プレ・カレッジプログラム」の導入によりスムーズに短期大学の学習に適応できるようにするとともに、入学時から卒業時まで少人数ゼミナール制を活用し、各ゼミ担当教員が学習のみならず生活指導も含めて、きめ細かく指導しており、中途退学者の減少や防止等に効果を上げている。
学生生活への支援に関しては、併設大学と共用の図書館、食堂、喫茶室、パソコン設置の「Chat Squareチャットスクエア」(学生談話スペース)、体育館、テニスコート、トレーニングセンター(屋内練習場)、全面天然芝の広いグランド、駐車場等の施設設備は充実している。経済支援として独自の特待生制度(授業料等全額免除、授業料等半額免除の2種類)も有している。
専任教員数及び教育・研究実績は、短期大学設置基準を満たしている。校地面積、校舎面積とも短期大学設置基準を満たしている。施設設備、物品管理等は各規程に従って適切に維持管理されている。講義室、実習室にAV機器が完備されており、学内約100か所に無線LANアンテナが整備されている。
資産及び資金の運用は適切に管理されており、財務情報については適切に公開されている。
理事長は建学の精神に基づき、学校法人の健全経営を維持すべくリーダーシップを発揮して運営を遂行している。理事会は私立学校法にのっとり適正に運営されている。学長は理事長が兼務しており、それぞれの立場に立ち課題を確認し、迅速な意思決定が行われている。学長は毎月の教授会で現状と課題を正確に伝え、教職員が共通理解を持って教学運営がなされている。毎回の議事録は次回に承認され保存されている。監事は寄附行為に基づき選任され、業務及び財産の状況については公認会計士と連携を取って監査報告書を作成し、理事会及び評議員会に提出し意見を述べている。評議員会は寄附行為に基づき組織され、理事長の諮問機関として適切に運営が行われている。
学校法人及び当該短期大学の中期事業計画は策定され、学校法人の方針が周知されていることにより、次年度事業計画の策定・予算の編成方針が決定されている。当該短期大学の予算に関する規程は整備され、予算執行は共有化され、適切に管理されている。