令和2年7月20日付で旭川大学短期大学部からの申請を受け、本協会は認証評価を行ったところであるが、評価の結果、自らの掲げる教育理念の実現及び教育目標の達成に向けて改善に努めており、本協会が定める短期大学評価基準を満たしていると判断した。
上記の判断に至った事由は、おおよそ次のとおりである。
開学以来、建学の理念「地域に根ざし、地域を拓き、地域に開かれた大学」を建学の精神とし、「自立できる人材の育成」を教育の基本方針に掲げ、また教育目標を定め、地域が求める人材養成の教育活動に取り組み、地域を指向する教育研究を継承してきた。この建学の理念(建学の精神)はウェブサイトや入学案内、学生生活の手引きなどの資料により周知が図られている。
「旭川大学生涯学習エクステンションカレッジ事業」に代表されるように併設大学と合同で、地域・社会に向けた公開講座、生涯学習事業、リカレント教育について、多岐にわたる活動を実施している。
学習成果は、建学の理念(建学の精神)及び教育目的・目標に基づいて明示しており、学科・専攻会議において学習成果を設定し、査定の仕組み作りについて検討している。建学の理念(建学の精神)に基づき各学科の教育の基本方針の下、三つの方針を各種委員会と学科・専攻会議等で策定し一体的な整合性を図り、教育活動を展開している。
「自己評価委員会」を置き、自己点検・評価に関わる議案を審議・検討のうえ、自己点検・評価報告書を毎年作成し、全学での共有化を図り、学生の授業評価や学生生活満足度調査等を基にPDCAによる質の向上に向けた改善・改革を推進している。
「内部質保証の方針」を定め、学習成果の可視化に向け、「学修ポートフォリオ」、「学生カルテ」等を資料として指導に利用し、併設大学と合同で開催される「全学教育活動発表報告会」にて発表し、教育改善について研修を行っている。内部質保証の検証のため「旭川大学・旭川大学短期大学部外部評価委員会規程」を制定し、外部評価委員による提言を受けている。
建学の理念(建学の精神)に基づき、学科・専攻課程ごとの卒業認定・学位授与の方針を定めている。「地域社会のニーズに応えられる豊かな人間性と教養ある社会人の育成を目指す」という卒業認定・学位授与の方針は、社会的・国際的に通用性があり、短期大学における「地域」というキーワードの考え方にも象徴されている。教育課程編成・実施の方針は、学科・専攻課程ごとに具体的かつ明確に示されている。短期大学設置基準にのっとり、教養教育及び職業教育を実施している。入学者受入れの方針は、学習成果に対応し、
明確に示されている。多様な選抜を実施し、入学者選抜要項において各入試の選考基準を明確に示している。「学修ポートフォリオ」を導入し、その一環として学生カルテを作成している。これらは学習成果の可視化を実現したものであり、学生の学習支援に役立つ取組みとなっている。
学習成果の獲得に向けた学習支援も組織的に行われ、学期の節目ごとにオリエンテーションを実施している。生活支援について、学務委員会を組織し、委員長をはじめとする各学科・専攻教員と学務課の職員が修学状況や学生の経済面、学習環境の整備などについて支援している。また、少人数ゼミナール制を導入して学生に個々に対する細やかな支援をしている。
教員組織は、短期大学設置基準を充足しており、学習成果を獲得するための教育を実践し得る教職員を配置している。専任教員の採用や昇任は、学内規程に基づき適正に行っている。
校地・校舎の面積は、短期大学設置基準を充足しており、校地及び校舎は障がい者に配慮した整備が行われている。固定資産管理規程、消耗品及び貯蔵品管理規程等については学内規則に含め整備し、施設設備、物品等の維持管理を行っている。また、火災・地震対策、防犯対策について学内規程により管理されている。さらに情報教育研究センターにおいてキャンパス内の情報ネットワーク全体を一元管理している。
財務状況は、過去3年間の経常収支が、学校法人全体及び短期大学部門とも支出超過の状況であるが、余裕資金があり、財政の健全性は確保されている。経営改善計画書が作成されている。今後の公立化による定員充足率の改善、収支改善により、収支の均衡が可能であるとの内容である。
理事長は、建学の理念(建学の精神)、教育目標をはじめ短期大学の教育目的等を十分に理解し、学校法人の運営にリーダーシップを発揮している。理事会は学校法人の意思決定機関として、寄附行為に基づき適切に運営されている。
学長は、教学運営の中核的な役割を果たしている。なお、評価の過程で、学則の教授会審議事項に「課程の修了」に係る規定がないという、早急に改善を要する事項が認められたが、その後、機関別評価結果の判定までに改善されたことを確認した。
監事は、学校法人の業務、財産の状況及び理事の業務執行の状況について、適宜監査し、毎会計年度、監査報告書を作成の上、定められた期限以内に理事会及び評議員会に提出するとともに全ての理事会及び評議員会に出席して意見を述べている。
評議員会は、理事の定数の2倍を超える数の評議員をもって組織され、私立学校法及び寄附行為に基づき、適切に運営されている。
教育情報、学校法人の情報は、学校教育法施行規則、私立学校法に基づき、ウェブサイトで公表・公開している。