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五所ゼミ

日本精神障害者リハビリテーション学会に参加しました!

2025年12月08日 月曜日 / カテゴリー 五所ゼミ

こんにちは!五所ゼミナールです。
五所ゼミナールでは、10月25日・26日に開催された「日本精神障害者リハビリテーション学会」に参加しました。私たち3年生にとって初めての学会参加であり、最先端の研究や多くの専門家の実践に触れる貴重な機会となりました。今回参加したプログラムの一部をご紹介します。

① 特別講演
『共同創造から共同妄想へ:VR/AR技術を用いた幻聴・幻視当事者研究の実践』(講師:熊谷晋一郎先生・畑中裕二先生)

【概要】
統合失調症当事者の幻聴・幻視体験を、当事者へのインタビューをもとにVR/AR 技術で再現し、他者と共有することで対話を促す取り組みが紹介されました。講演では、幻覚体験を単なる「病理」として捉えるのではなく、当事者が自分の体験の意味を見つめ直し、仲間と共有しながら理解を深める「当事者研究」の実践が語られました。また、幻聴への新たな介入手法であるアバターセラピーの紹介も印象的でした。これは、幻聴の姿をアバターとして可視化し、セラピストがそのアバターとして対話することで、当事者と幻聴の関係性を改善していくというものです。

【学び・気づき】
VR/AR 技術によって、これまで「分かり合うことが難しい」とされてきた個々の幻聴・幻視体験を、当事者の方と一緒に“つくりながら共有する”という新しいアプローチがあることを知りました。今回の内容に触れる中で、これまで知らなかった視点にも気づくことができました。

②自主企画
『子ども・若者当事者研究プログラム』〈子どもや若者、子育て世代の困難を本人や家族自身が「研究者」として語る〉

【概要】
子ども・若者・子育て世代自身が「研究者」となり、自分の困難や経験を語り合うプログラムです。絵、ブロック、身体表現など、言葉以外の手段も使って、自分の気持ちや状況を可視化する取り組みが行われていました。なかでも、「学校に行きたくない」という気持ちから始まった子どもの当事者研究は特に印象的でした。研究を続けるうちにテーマが「どうすれば学校で勉強せずに過ごせるか」 →「どうすれば学校を楽しく過ごせるか」 →「どうすれば中学校で勉強しながら楽しく過ごせるか」へと発展し、その過程で家族・教師・友人に小さな変化が生まれていったことが語られていました。

【学び・気づき】
子どもの困難は「その子だけの問題」ではなく、家族・学校・周囲との関係性のなかで生まれる課題であると実感しました。子ども自身が「語る・聴かれる・共に考える」経験を重ねることで、自己理解や自己決定が促されると学びました。

【最後に】
学会参加の目的は、自分の視野を広げ、将来の可能性を広げることでした。初めての参加で、どのような姿勢で臨むべきかや、どこに注目して聞くべきかが分からないまま進めてしまった点は反省として残りましたが、課題も見つかり、今後の学び方を考えるきっかけになりました。卒業研究のテーマはまだ検討中ですが、今回得た経験を大切にし、今後の学習や研究にもつなげていきたいと考えています。

今回の学会参加の内容については、年度末に開催される「教育研究活動報告会」にて報告を予定しています。ぜひご覧ください。
五所ゼミナール コミュニティ福祉学科3年 山田 葉月

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