パスワードのリセットをリクエストしますか?

齋藤ゼミ

【活動報告】北海道美深高校で異文化間理解「レヌカの学び」(出張講義)を行いました。

2023年07月15日 土曜日 / カテゴリー 齋藤ゼミ

7月15日(土)に北海道美深高校にて異文化間理解についての授業「レヌカの学び」(出張講義)を行ってきました

 今回授業を行ったのは齋藤先生と、石川祐妃(齋藤ゼミナール4年)、伊藤穣(齋藤ゼミナール3年)です。美深高校の大谷健介校長先生、小林究先生をはじめ北海道天塩高校の坂上大介校長先生、北海道名寄高等学校の梅澤剛先生、美深高校の生徒、名寄市立大学の荻野大助先生と学生の総計20人を超えた人たちが参加してくれました。初めは若干の緊張が見られましたが、アイスブレークなどを通じて次第に柔らかい雰囲気になりました。最終的には、意見交換も活発な、参加してくれた皆で豊か学びの場を創流ことができたと思います。

 講義では最初に名寄市立大学と旭川市立大学の学生5名で日本の多様性を考えるための1分間の地元紹介を行いました。旭川市立大学の伊藤は上川町出身、石川は旭川市出身ですが、名寄市立大学の学生はそれぞれ岩手県や静岡県、北海道は十勝出身でした。静岡出身の学生の「静岡県の蛇口からはお茶が出る」という冗談では、笑いが起きました。(一部信じた人たちもいました。)

 そして齋藤先生から、「異文化理解」の「間」に基づいて、ネパールについての日本の外務省基本情報をもとに日本の多様性について意識をするための講義がありました。例えばネパールには様々な言語があることから、日本にもいわゆる標準語だけではなく多様な方言があること、言語と方言の違いは極めて政治社会的であること、日本にはアイヌ語なども含めて16言語あると考えられている事、さらには日本の識字率などについても話が及びました。その後、津軽弁の動画を視聴してもらいました。津軽のお婆さんたちの会話を理解できる生徒はいませんでした。また、道内出身の生徒・学生・先生から道外出身の齋藤先生や名寄市立大学の学生たちに北海道弁の紹介をしてもらいました。「うだで」や「ばっこたっこ」など、私たちも知らない言葉が出てきていました。

 その後、「レヌカの学び」のカードゲームを行いました。18枚のカードを「ネパールにいるときのレヌカさん」と「日本にいるときのレヌカさん」の9枚ずつに分けてもらうワークです。皆さん、最初はかなり悩んでいたようです。「レヌカさん(のことを)知らないし。」などの声も聞こえました。各グループが9枚ずつに分けられた頃、ゲームのコツを説明しました。特に文章の頭に「レヌカさんは」とつけて読むことが重要です。なぜならばこれはあくまでも個々の参加者の経験ではなく、レヌカさんの経験について想像するワークだからです。すると今度は「レヌカさんは〜かもしれない」というように、更に悩んでいる様子でした。その後、答え合わせをしていくうちに「え〜なんで〜?」や「ほんとに?」などの声が聞こえてきました。皆さんが真剣に悩んでいたことがわかりました。齋藤先生によれば、異文化間理解では、「わからない」と見定めた上で、このように真剣に考え想像する過程も大事なようです。

 最後に齋藤先生から「レヌカの学び」と異文化間理解についてのまとめの講義がありました。私たちは日常生活において様々な文化の影響を受けて生きています。だからこそ「日本人だから」「女性だから」「性的マイノリティ」などのように社会的カテゴリーで個人を捉えるのではなく、個々の人たちの多様性に着目することが大事になります。「異文化(に属する人)に接したときには、一人ひとりを理解する姿勢が大切」なのだと理解できました。

(文責 経済学部4年 石川祐妃)

祐妃(齋藤ゼミナール4年)と伊藤

TOP