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旭川市立大学 地域連携研究センター主催 2023年度「見学会」開催報告 「北海道立北の森づくり専門学院」及び「北海道立総合研究機構 林産試験場」見学会 

 

2024年2月28日(水)午後、旭川市立大学地域連携研究センター主催による「見学会」を「北海道立北の森づくり専門学院」及び「北海道立総合研究機構 林産試験場」にて開催しました。

昨年度(2022年度)の「見学会」は、「君の椅子」の製作者(つくり手)である「株式会社 匠工芸」を訪問しましたが、今年度は、旭川圏の林業の歴史と森づくりのあり方、そして、木材製品の有効利用の方法について学び・感じる見学会として、「北海道立北の森づくり専門学院」及び「北海道立総合研究機構 林産試験場」を訪問しました。

参加者は一般市民の方々をはじめ当大学教職員を含めた総勢19名で、一般市民の中には、昨年12月3日に開催した本学の旭川市立大学地域連携研究センター主催 AEL事業(旭川市立大学生涯学習エクステンションカレッジ事業)「野生動物との関わりから暮らしのあり方、社会のあり方を考える。」に参加された方もおられました。

「北海道立北の森づくり専門学院」は、2020年(令和2年)4月に開校した専門学校であり、北海道の豊かな生態系をはぐくむ森林を守り育て将来の世代に引き継ぐという理念のもと、林業・木材産業の幅広い知識と確かな技術を身に付け、企業等の中核を担う地域に根差した人材を育成しています(所在地:旭川市西神楽1線10号)。

「北海道立総合研究機構 林産試験場」(正式名:地方独立行政法人北海道立総合研究機構 森林研究本部 林産試験場)は、1950年(昭和25年)に北海道で唯一の林産研究機関として設立され、以来、様々な研究や活動を行い、その研究成果から木製品を有効に利用するために活動しています(所在地:旭川市西神楽1線10号)。

見学会は、まず「北海道立北の森づくり専門学院」を訪問・見学しました。土屋 禎治 学院長より御挨拶を頂いた後に、藤井 智佳士 副学院長よりスライドを用いて「北海道立北の森づくり専門学院」の教育方針(林業・木材産業の即戦力となる人材育成)等について御説明頂きました。その後、バイオマスボイラーの見学、そして、高性能林業機械のシミュレーター実演の見学を行いました。

次に、「北海道立総合研究機構 林産試験場」を訪問し、川西 博史 場長より御挨拶を頂いた後に、渡辺 誠二 企業支援部長よりスライドを用いて、森林資源の循環利用の推進や(計画的な人工林の伐採による)人工林の蓄積の増加等について詳細な御説明を頂きました。CLT(Cross Laminated Timber)技術の開発による強度のある集成材の活用やコアドライの商標登録の説明も印象に残りました。その後、見学時間を短縮せざるを得ないほど、参加者との熱心な質疑応答が行われました。

参加者からは、「林業だけでなく、個人の人生としても大きな可能性を期待できる素晴らしい施設でした。」「学生が楽しそうに学んでいたのが印象に残った。学びの目標が明確であることの重要性を感じた。」、「素材や加工プロセスに興味があるため、ご説明を聞き、木材と木材加工の知識が増え、とても勉強になりました。」「道産木材の使用拡大に向けた製品開発や技術開発の取り組みを知ることができた。」「質問もたくさん出て、時間が足りないほど活気ある見学会でした。ありがとうございました。」等の感想が寄せられ、盛況のうちに見学会は終了しました。

「北海道立総合研究機構 林産試験場」の前身である「北海道立林業指導所」が旭川市緑町に開設されたのは1950年であり、来年で設立75周年を迎えますが、研究の歴史は半世紀以上の歴史があります。林業に関する研究を行っているのが、ここ旭川にある「北海道立総合研究機構 林産試験場」と美唄にある「北海道立総合研究機構 林業試験場」になります。森づくりそのものに関する研究を行うのが「林業試験場」、森林から産出される木材の利用を研究するのが「林産試験場」となっています。

旭川に「北海道立林産試験場」(現・「北海道立総合研究機構 林産試験場」)が設立された歴史的背景は、石狩川をはじめ北海道の有数の河川が合流する場所であるという地帯構成の特質であり、鉄路の要所として旭川の商業経済が発展した歴史を振り返ることができました。道北の豊かな森から供給される木材が集まる集積地として、物流の拠点が旭川であるという地域の優位性の観点からも、私たちが暮らす旭川圏・道北圏はとても豊かな森林資源を有する素晴らしい大地であることを再認識しました。

更に、こうした北海道の豊かな生態系をはぐくむ森林を守り育て将来の世代に引き継いでいく、百年先を見据えた森林づくりを推進するという理念のもと、林業・木材産業の幅広い知識と確かな技術を身に付け、林業の中核を担う地域に根差した人材を育成するために旭川に設立されたのが「北海道立北の森づくり専門学院(北森カレッジ)」であることを知りました。

「森づくりは人づくり」といわれますが、豊かな森林資源を有する道北の旭川に「北海道立北の森づくり専門学院(北森カレッジ)」が開設された意義はとても大きいと感慨深く感じました。

本見学会の開催に当たり「北海道立北の森づくり専門学院」及び「北海道立総合研究機構 林産試験場」の皆様には御多忙のところ御協力を賜りまして誠にありがとうございました。見学会に御参加された皆様、開催運営に御協力くださった皆様、どうもありがとうございました。

 

【「北海道立北の森づくり専門学院」「北海道立総合研究機構 林産試験場」見学写真】

「北海道立北の森づくり専門学院」土屋 学院長より御挨拶

「北海道立北の森づくり専門学院」藤井 副学院長による御説明

 

 

 

 

 

 

 

 

イチイ、エゾマツ、アカエゾマツの断面

バイオマスボイラー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「北海道立北の森づくり専門学院」の2階からの大雪山系

高性能林業機械のシミュレーター実演

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高性能林業機械のシミュレーターに挑戦

「北海道立総合研究機構 林産試験場」渡辺 企業支援部長による御説明

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カラマツ・トドマツ製材の用途別出荷割合

コアドライ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CLT(Cros Laminated Timber)

タケカンバのバット

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文責:旭川市立大学地域連携研究センター 主催「見学会」 主担当

旭川市立大学地域連携研究センター 運営委員・経済学部 教授  佐々木 潔

 

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