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五所ゼミ

「滝川市立病院」見学を通じて。五所ゼミ(3年生)

2023年07月20日 木曜日 / カテゴリー 五所ゼミ

 7月5日(水)に当ゼミ3年生(浮中、尾上、進藤、野原)が滝川市立病院にて見学を行いました。


出発前の様子。3年生はさすが余裕の表情です。

 滝川市立病院は滝川市に所在する病院で、中空知医療圏の中核を担う自治体病院の1つで、13の診療科と314の病床数を有し、急性期治療を行い二次救急の役割を担っています。
 私たちはまず、医療の変遷から滝川市立病院の精神保健福祉士が担う業務などの説明を受けるなかで質問をさせていただき、次に精神科病棟のスタッフステーションに移動し、病棟カンファレンスを見学させていただきました。カンファレンスには精神保健福祉士、薬剤師、看護師が出席しており、患者の様子や嗜好などの共有、疑問点や困りごとの議論などが、PCへの入力作業と同時進行で行われ、これは本カンファレンスに参加していない医師等が確認するためだと教えていただきました。チーム医療として、みんなで支えるということが基幹になっているのだと改めて感じました。


カンファレンスに参加させていただきました(患者プライバシーのため要所に修正をしています)

 精神保健福祉士のスタッフに本就職を目指したきっかけを聞く機会があり、その中でも「実習先の影響が大きい」という話に、実習を目前に控えた私たち3年生は引き締まる思いと実習に対する真摯な気持ちが高まったと感じます。「定義にあてはまらない人に入院はできない」など制度の狭間における問題や、また、精神科には書類が多く、入院の際には本人以外の親族のサインが必要となることがあるなど、医療の厳重さがありながら、一方で実際の現場における業務では患者との信頼関係を構築していく過程を楽しむということを教えていただきました。

 次に医療ソーシャルワーカーの話を聞かせていただきました。業務と役割の他、患者の気持ちに寄り添い、ニーズを把握することの実情の大変さや、しかしその苦労してみることで患者から頂く言葉が励みになるということなどをお聞きしました。医療ソーシャルワーカーとして大事なことは「人に興味をもつこと」、そして「自分自身を客観視すること」だと教えていただきました。支援における展開過程のアセスメント、支援計画は私たちが普段学校で練習で使っている様式があるわけではなく、頭の中で組み立てていると聞いて、実践との違いを感じられました。

 今回はさらに、3年生にのみ精神科病棟の見学をさせていただきました。病棟の扉は閉まると鍵が自動で施錠され、一定時間が過ぎても開放されたままだとアラームが鳴る仕組みになっています。廊下には公衆電話が設置されており、患者が不当と思う入院処遇や人権侵害にあたる行為を受けたときに都道府県に電話をかけ、訴えを申し出ることができる旨を記載した掲示がされています(精神保健福祉法)。この時、精神保健福祉士は患者の権利や主張を止めることはせず、その主張に対し、連絡の手伝いや都道府県からの求めに応じ、それにともなう業務を担います。次に、保護入院室を拝見させていただきました。扉は大きく、下から食事を提供する隙間がありました。部屋の窓は強化ガラスとすりガラス状のはめこみ式の窓が設置されており、外からの刺激の遮断、そして事故防止のために無錠になっていました。室内にはステンレス製のトイレが設置され、破損や武器・自傷に用いることを防止するために、この仕様になっているそうです。また、便器の水は水中毒の患者が飲んでしまう可能性や水を永遠と流し続けてしまうことがあるため、外から操作できる仕組みになっていました。ベッドには拘束帯があり段階を踏んで一部から全部の順で外します。長時間の拘束は日常生活動作や認知機能の低下に繋がるため、なるべく避けることが重要とのです。滝川市立病院の精神科病棟に入院している患者の多くが認知症や高齢者であったことは全国的な状況と同様でした。高齢化という社会問題は、医療の現場においては寝たきりによる日常生活動作の低下を避けるために、離床を促すなどの対応が講じられていました。


3年生は特別に病棟を見学させていただきました。


保護(隔離)室前です。中に3年生を閉じ込めてみました(保護室体験)。


保護室扉前から中の様子。「うわ、閉められた(尾上)」、「俺は快適、ずっといられる(浮中)」*様々な感想です。

 ソーシャルワーカーとして「病院から見る地域」と「地域住民が見ている医療」を共有しあうことは新しい発見につながり、これは面白いことなのだと教えていただきました。本見学を通じてソーシャルワーカーになること、その業務や役割をこなすことの重要性と面白さを改めて考えるきっかけになりました。「難しいからこそ楽しい、面白い」のだという現場の声を聞き、実践的な場面を見てソーシャルワーカーになりたいという気持ちがより高まったと思います。

 最後に、国家資格を取得するため、試験に対する「受かる」という気持ちを持つことの大切さを教えていただき、見学は終了しました。3年生各々が実習を目前に控え、深く考えることができた貴重な経験となりました。見学に際し、承諾をしてくださった病院関係の皆様に深く感謝を申し上げます。病院見学の経験を活かし、引き続きゼミナール活動を頑張っていきたいと思います。
(文責:コミュニティ福祉学科3年 進藤)


大変貴重で充実した機会をいただきました。

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