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五所ゼミ

東京都立松沢病院「日本精神医学資料館」の見学を通して vol.1

2023年08月29日 火曜日 / カテゴリー 五所ゼミ

(大変、貴重な画像資料があるため、vol.2にわたり投稿いたします。)

 五所ゼミナールでは、精神医学の歴史における医療と呉秀三氏が行った病院改革について学習することを目的に、東京都立松沢病院に併設する「日本精神医学資料館」へ学外見学を行いました(初のゼミ旅行です!)。

 「日本精神医学資料館」は、日本の公立精神病院で2番目に古い歴史をもつ「東京府癲狂院」を前身とする、(現名称)東京都立松沢病院の旧棟にあった、かつての夜間救急診療室と保護隔離病棟をそのまま資料館としたもので、資料館の中には当時の精神病院で行われていた治療器具や実際の保護隔離病棟をそのまま残したものなどが展示されています。これらの資料は、本病院の創立以降、各研究所に収蔵されていたものの、これまでは非公開でしたが、1979年に創立100周年という節目に資料館として一般公開されるようになりました。その後は何度か院内での移転を経て、2014年に現在の場所に移りました。所蔵資料は、実物模型や書類、写真(ネガ、フィルムなど)など、総数はおよそ1,300点にのぼります(ちなみに資料のほとんどが手作りとなっていて、館長によると掲示物の説明の仕方や歴代病棟の模型の展示方法など今後は博物館として発展させたい、とのことでした。)


(※精神病院改革を行った5代目院長である呉秀三氏の胸像です。)


(※館長は元病院職員でもあるためか、熱く語る様子が印象的です。)

 見学が始まるとまずは、映像資料(視聴のみで撮影等が一切禁止)を視聴しました。そこでは、鎖の手・足枷や電気治療など当時の精神病院で行われていた治療の様子から、徐々に屋内・外活動を重視した治療(支援)への変遷をたどる様子を感じることができました。当時に始まった病院改革とは、精神病患者への隔離・拘束治療等に重きを置く精神医療から、患者の人道的処遇を念頭に置く治療に方向転換したことがいえ、それが資料から学ぶことができました。

(※開院当初の「癲狂院」(現:都立松沢病院)や日本の精神病院の歴史変遷が学べます。)


(※精神関連の授業では必ず学ぶ「相馬事件」です。相馬氏がお家騒動で強制入院させられた先はまさしく「癲狂院」でした。


(※当時、裁判所に提出された相馬氏の記録が残っています。)


(※入院児童のために小学校を設け、「教育治療」が開始されました。)


(※「癲狂院」はその名称を患者が嫌うことから、東京府巣鴨病院に改称されています。巣鴨病院時代の病院模型)


(※精神病院特有にある当時の「隔離室」は現在にも残ります。)


(※当時の病院の中庭を散歩する入院患者の様子)


(※患者が入院作業(築山)をする様子。)


(※入院作業(治療)の様子①)


(※入院作業(治療)の様子②)

vol.2につづく

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