春光台エコチャレンジ!”CLEANGO”#4~こども・おとな・大学生がともに築く、持続可能な地域とは…~(2025.5.17)
2025年5月17日(土)、旭川市立春光台中学校を拠点に、「春光台エコチャレンジ!”CLEANGO”(第4回)」が開催されました。本イベントは春光台未来プロジェクト実行委員会の主催により行われ、3歳から82歳までの幅広い世代、総勢70名が参加しました。本学の学生も運営メンバーとして参加し、地域住民とともに春光台の環境美化に取り組みました。なお、学内では4週にわたって準備活動を行い、学年混合で学生間の交流も図ることができました。
■ゴミ拾い×ビンゴ=CLEANGO!
参加者は10人前後のグループに分かれ、ビンゴカードに記されたゴミの種類(例:空き缶、ペットボトル、たばこの吸い殻、レジ袋など)を探しながら清掃活動を行いました。
ゲーム感覚で楽しみながら、自然と多様な種類のゴミを回収できる工夫が施されており、子どもから高齢者まで幅広い世代が積極的に参加しました。(『エコチャレンジ!CLEANGO』はチトセコ(千歳CLEANGO実行委員会)さんが始められた取り組みです(“CLEANGO”/登録商標第6678640号))
【画像左から】学内での準備→春光台未来プロジェクト実行委員会(北海道療育園松尾専務理事)の挨拶→春光台中学校前にてグループごとに出発前の打ち合わせ
【左から】会場の春光台中学校には多大なご協力をいただきました→実行委員会が作成した地図。エリアごとのゴミの量についての集計も行いました。
■ルートと結果
ルートは、北斗町内会区域の一部で、6グループに分かれて約30分間の活動を実施。特に高速道路に近づくにつれてゴミの量が増加し、雨水に浸かったダンボールなども見つかるなど、ポイ捨ての深刻さが浮き彫りとなりました。
回収されたゴミの重さは9.5kg(2023,2024年と比べて 約2倍)
・燃えるごみ:約2.5kg
・燃えないごみ:約4.1kg
・空きびん・空き缶:約2.9kg
【左から】(グループ1)住宅街と道央自動車道との境界にある側溝。ゴミが最も多かった場所→今回は合計9.5kgと過去最大のゴミの量。依然として解決されないゴミのポイ捨て問題を参加者間で再認識
■参加者の声
こどもから大人まで、参加者からはさまざまな感想が寄せられました。
「楽しくて、あっという間だった」
「地域がきれいになってうれしい」
「こどもと一緒に地域のことを考えるきっかけになった」
「住宅地はほとんどごみがなくきれいでした。でも高速道路の横の側溝にはアルミ缶などポイ捨てのゴミがいっぱいありました。ごみを捨てる人がなくなるといいなと思いました」
学生からは、活動を通じて得た学びや気づきが語られました。
*「地域のつながりが希薄化している現在において、エコチャレンジのように共通の目的を持ち、同じ時間を過ごすことのできる機会はとても貴重である」
*「運営を行うにあたって、事前準備の甘さが目立ってしまった」
*「地域の方が時間を見て『そろそろこの道から戻ろう』等と声をかけてくださった」
*「地域における世代間交流は、高齢者に子どもを見守る役割ができることで孤立を防ぎ、子どもが上の世代から知恵を吸収する学校外での学びの場の提供にも繋がると考えた」
■地域のつながりを感じる時間に
イベント後には、参加者同士の交流を行い、地域のつながりを深める貴重な機会となりました。
今回の活動を通じて、「地域のつながりを大切にしたい」「継続的な活動にしていきたい」、そして「自分たちのまちは、自分たちで守る」そんな思いを共有できた一日でした。
【左から】終了後の集合画像→イベント翌週の振り返りゼミ(役割チームごと+当日のグループごとの2つの視点で)
■ゼミ生の果たした役割
今回、ゼミ生の主な役割は以下のとおりです。
1. 企画・運営の中心的存在
イベントの準備段階から関わり、学年混合チームでプログラムを分担。
受付、会場設営、進行、司会などを担当し、イベント全体の運営を支えてました。
2. 地域住民との協働・交流
地域住民や子どもたちと一緒にゴミ拾い活動を行い、世代を超えた交流を促進。
ビンゴとゴミ拾いを掛け合わせたこのイベントを通して、地域の環境美化と楽しさを両立させる工夫をしています 。
3. こども中心の地域づくりの推進
小学生・中学生の意見を尊重し、それを地域づくりに活かす仕組みづくりを模索。
こどもたちの提案を受けて、地域課題に対する具体的な取り組みを実施 。
4. グループワークのファシリテーション
参加者とのグループワークでは、司会として議論をまとめる役割を担う。
こどもたちの声を大切にした対話の場づくりに貢献しました 。
5. 地域課題の可視化
ゴミの種類や量を記録し、地域の環境課題を可視化。
イベント後には振り返りを行い、次年度に向けた改善点や新たな企画の提案も行いました。
■持続可能な春光台・・・今後の課題と展望
今回の「春光台エコチャレンジ CLEANGO」は、多世代が協力し合いながら地域の環境美化に取り組む貴重な機会となりましたが、「持続可能な春光台」を考えたとき、また今後の活動をより効果的にするためには、いくつかの課題も見えてきました。
1. ゴミの再発防止に向けた啓発活動の強化
拾ったゴミの多くが、たばこの吸い殻やプラスチック包装など、日常的に発生するものでした。今後は「拾う」だけでなく、「捨てさせない」ための啓発活動(ポスター制作、SNS発信、地域イベントでの発表など)も検討していく必要がありそうです。
2. 活動の継続性と地域内での定着
この取り組みは4回目となり定着しつつあります。引き続き、本ゼミナール・学校・町内会との連携が求められます。特にあらゆる世代が主体的に関われる取り組みであり続けることが大切です。
3. データの蓄積と可視化
回収したゴミの種類や量を継続的に記録・分析することで、地域の環境課題を「見える化」し、より効果的な対策につなげることができます。今後は、地域の方々と共に分析やその報告も視野に入れています。
…私たちのゼミナールにおける春光台地域での学修活動は、地域の未来を共に考え、実践する「学びの場」として機能しています。学生たちは、地域の一員としての自覚を持ち、持続可能な地域づくりに貢献しているのが特徴です。