【任ゼミ_活動レポート】2024学外活動7〈研究ゼミ1〉
任ゼミナール 研究ゼミナールでは、韓国の社会福祉士に「高齢者のフレイル予防と移動支援」についてインタビュー調査を行うため、9月23日~26日に韓国を訪れました。
1日目 安山(アンサン)市 檀園区老人福祉館
老人福祉館とは
「老人の教養、趣味、生活及び社会参加活動等に対し、各種情報とサービスを提供し、健康増進及び疾病予防と所得保障、 在宅福祉その他老人福祉増進に必要な総合的な老人福祉サービスを提供する施設」(老人福祉法36条)
と定義され、老人余暇施設として運営されています。
檀園区老人福祉館では、60歳以上の方が利用できるようになっています。
ここでは、教育文化事業や地域組織事業、在宅福祉事業など多くの高齢者支援に関わる事業を行っています。
この施設は5階建てとなっています。
1階には老人相談センターが設置されているので、気軽に相談することができます。
また、カフェが併設されています。ここで、高齢者の方々が働くこともでき、就労の機会を提供しています。
2階からは、コンピューター室や囲碁・将棋教室など余暇を楽しむ環境が整備されています。
社会福祉士の方々から事業について説明していただきました。
教育・文化サービスとして、趣味・余暇・教育のプログラムが用意されています。
例えば、運動プログラムやICTのプログラムや書道教室など様々な活動を行うことができます。
韓国では、地域課題として高齢者の貧困問題が深刻化しているため、多くの貧困者に対する支援を行われていました。
高齢者支援のプログラムとして、カフェや大学前でコーヒーの販売などの就労支援を行っています。
今回、社会福祉士へのインタビュー調査を通して、韓国の高齢者への介護予防や地域への取り組みを学ぶことができました。
日本とまた違った高齢者支援の形を勉強できてとても充実した時間となりました。
インタビュー調査に協力いただいた皆さんありがとうございました。
(文責 4年 小野)
2日目 ソウル市 社会福祉法人幸福創造、ウンアン老人福祉館
韓国3日目にはソウルに行き、社会福祉法人とその法人が運営する福祉施設2か所を訪問しました。
- 社会福祉法人 幸福創造
法人運営のビジョンとして1最も信頼される福祉財団2最高の福祉人材育成3責任を持つ社会貢献と国際交流を掲げています。
また、この法人では老人福祉事業をはじめとし保育事業、児童・青少年福祉事業、地域福祉事業、女性福祉事業、国際交流事業の6つの事業を行い様々な施設の運営を行っています。老人関係の施設では、老人福祉館やシルバー人材センター、老人統合支援センターなどの運営を行っている。老人統合支援センターとは、サービスがあまりなかった時代にそれぞれの施設が断片的に行っていたサービスを一つの所にまとめて統合的にマネジメントをしながら支援を行うセンターになっているという説明を受けました。
- ウンアン老人福祉館
お年寄りとともに幸せを創る福祉施設をミッションとし、1お年寄りが幸せな老人福祉センター2高齢者の健康で安全な生活を支える3参加と共有による幸せなコミュニティの実現4持続可能な環境を考え実践する福祉施設というビジョンとしている。
この老人福祉館内では4つのチームに分かれていて⒈運営支援チーム⒉福祉1チーム⒊福祉2チーム⒋仏光川生態体験館に分かれている。運営支援チームは会計や地域社会ケアなどを担当している。福祉1チームは、相談・健康生活支援・老年社会化教育・地域資源および組織化特化事業を担当している。福祉2チームでは、地域社会介護・健康生活支援・地域資源および組織化・給食支援を担当している。生態体験館では、生態教育・施設管理を担当している。
老人福祉館で行われているプログラムは、情報化教育・健康増進・生涯学習などがある。その中でも情報化教育では、スマートフォン、タブレット教育が行われている。
- ウンピョンシニアクラブ
高齢者の仕事を通じた幸せな老後と健康な社会づくりをミッションとし、1時代や社会の需要度に応じた高齢者の多様な雇用の創出2高齢者の社会体験や就労活動、社会参加を活用するニーズの充足3継続的な経済活動を通じた自立と自尊心の促進4コミュニティメンバーのための安全で健康的な生活をビジョンとしている。
運営事業は3つに分かれていて⒈公益活動型⒉市場型⒊社会サービス型となっている。
⒈公益活動型は、高齢者が自己満足と達成感の向上、地域社会の公益増進のために自発的に参加するボランティア活動を行う事業で10種類の活動がある。
⒉市場型は、製造販売型とサービス提供型、共同作業型に分かれていて、高齢者に適した職業のうち小規模店舗や専門事業団などを共同で運営し、雇用を創出する事業で10種類の事業がある。
⒊社会サービス型は、脆弱階層支援施設及び保育施設など社会的支援が必要な領域に老人人材を活用して必要なサービスを提供する働き口を言いこの活動の種類は17種類ある。
今回訪問した施設では、スマートフォン・タブレット教育など時代の流れに沿った教育プログラムがあったり、様々な就労場所があったり、高齢者のためにはないが一番必要で何が求められているのかがとても考えられていると感じた。また施設訪問の際に施設を利用している高齢者と挨拶を交わした時に明るく生き生きとしている姿がとても印象に残っています。(文責 須藤)