【任ゼミ_活動レポート】2025年度(5)_展開ゼミ4
こんにちは!任ゼミ 展開ゼミナールです!
私たちは、 韓国の福祉制度やサービスを学ぶことで、日本との共通点や違いを理解するため、海外の事例を参考にして自分自身の視野を広げるために9月22日~26日に韓国を訪れました。
今回は、韓国における福祉施設を視察した結果を報告します。
1日目 韓国、ソウル
ソウル ①社会福祉法人 행복창조(幸福創造)
社会福祉法人「幸福創造」は、1958年に設立された福祉法人です。設立以来60年以上にわたり、地域に密着した福祉サービスを提供してきました。施設は、高齢者への生活支援や介護サービスの提供を中心に、地域住民の福祉向上を目的とした幅広い活動を展開しています。特に、孤立しがちな高齢者に対して、日常生活の支援や交流の場を提供することに力を入れており、利用者が安心して生活できる環境づくりを行っています。また、施設は地域社会とのつながりを重視しています。今回の視察では、施設内の設備や日常的な活動を見学しました!居住空間は清潔で快適に保たれ、食事やレクリエーション活動を通じて利用者同士が交流できるようになっています。
②응암(ウンアム)老人福祉館
응암老人福祉館は、2010年に設立された地域密着型の福祉施設です。社会福祉法人「幸福創造」が区から委託を受けて運営しており、高齢者の生活支援や社会参加を促す多様な事業を展開しています。主な活動には、健康維持のための運動プログラム、文化・趣味活動を通じた情緒的支援、教育講座、地域住民との交流の場づくりなどが含まれます。小規模ながらも利用者の尊厳ある暮らしを支える実践を行っており、地域の高齢者が孤立せず生きがいを持てるよう配慮している点が特徴です。日本の高齢者福祉と比較すると、地域資源を積極的に活用しながら非常に対応する姿勢が学ぶ点であると感じました。

③해피안(Happy安:an)
해피안(Happy安)は、2009年に設立された定員21名の小規模介護老人施設です。部屋構成は2人部屋・3人部屋など複数の共同居室があります。共同居間、廊下、玄関など複数の場所に監視カメラが設置されており、施設の環境・安全性の評価が高い点が特徴です。해피안サービスの質と環境の両方で高評価を得ており、利用者一人ひとりに配慮した運営がされていると見られます。日本の老人ホームと比較すると、小規模であるため、家庭的な雰囲気やきめ細かなケアが期待できる。また、安全性,環境整備、利用者の権利保護にも重点が置かれています。
ソウル施設の視察を通じて、韓国における地域福祉の実践を具体的に理解することができました。利用者の生活支援や心理的ケアに加え、地域住民やボランティアと協力しながら支え合う姿勢は、今後の日本の福祉にも参考になると考えます。日韓両国に共通する課題として、高齢者が地域で安心して暮らし続けられる社会をどのように実現するかが挙げられます。今回の学びを通じて、福祉の国際的な比較の重要性を再認識するとともに、自らの学びを今後の研究や実践に活かしていきたいと考えました。

2日目 韓国、安山市
安山市 発達障害者就労施設 행복한학교(幸せな学校)
幸せな学校は、知的障害や発達障害をもつ人々を対象とし、就労支援や社会参加を促進することを目的としています。施設では、ベーカリー、コーヒー豆やナッツ類の焙煎・選別、カフェ、商品の組み立て作業等を行っています。このような作業を通じて、職業的なスキルを培っています。適応訓練を受け、その人にあった作業が割り当てられます。この施設で製造した製品は、商品として、施設内のカフェ、地域市場で販売され、市民との交流や地域社会への貢献の機会を生み出しているのが特徴です。私たちも実際に作業を体験させていただき、利用者の方々と交流を図ることができました!皆さんと一緒に作業して、各自で作業的に行うのではなく、従業員同士でコミュニケーションをとりながら作業する様子を感じられました。今後の課題としては、製品や販路の多様化、広報力の強化、個別支援の拡充などがあげられると考えました。

②단원(danwon)老人福祉館
Danwon老人福祉館は、健康増進、生きがいづくり、世代間交流の促進を目的としています。IT機器の教室、ビリヤード、卓球、囲碁、オカリナ教室、ヨガ、ジム、リハビリ、美容室などが設備されており、利用者が自由に使えます。1Fにはカフェがあり、孝霊署の方が働けます。利用者さんが自由に自分のしたいことができる、気軽に他の利用者さんたちと交流ができるという点が高齢者にとって大きな影響を与えると思いました。
これらの施設を見学して明確になった課題としては、①限られた人員と資源により、個別ニーズに十分対応しきれない点②就労支援や教育プログラムの多様化・専門性強化の必要性③広報力不足により地域住民に十分知られていない点が挙げられます。今後は人材確保や地域との連携強化、プログラム評価の仕組みづくりなどが求められると考えました。

今回、韓国に視察に訪問するということで、多くの学びを得ることができ、とても貴重な体験をさせていただきました。この経験を今後の学びに生かしていきたいと思います。

【文責】展開ゼミ:李、目時(施設および利用者の写真掲載は承諾を得ています。)
