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大野ゼミ

【大学院(地方自治行政論研究Ⅰ)講義紹介】豊かさとは何かを考える

2023年10月05日 木曜日 / カテゴリー 大野ゼミ

大学院講義「地方自治行政論研究Ⅰ」では、従来型の経済優先の近代化論ではなく、地域がそれぞれの生態系、社会状況、文化的伝統に基づき、地域独自の道筋での発展を遂げることを目指す持続可能な社会のあり方を求め、タグ・ハマーショルド財団の報告書「もう一つの発展」」(1975年)の考え方、ブータンの第4代国王が提唱した「GNH(Gross Nationl Happiness/国民幸福量)」の考え方、社会学者の鶴見和子氏による「内発的発展論」(1989年)の社会理論について研究しています。

 

私は「地域自治行政論研究Ⅰ」の講義を通して、ムヒカ氏の『真の豊かさ』とは何かについて学び、ムヒカ氏は『真の豊かさ』とは金銭やどんな持ち物よりも『自由な時間』で『自由とは、好きなことをするための時間があること』と語っている。日本は利益追求社会で、金銭や持ち物など豊かさの象徴となっており、ムヒカ氏の考えとは逆行しており「精神的」なものは二の次となっている。それにより仕事中心の生活になり「好きなことをするための時間」をとることができず、このことによりストレスの捌け口がなくそれが上司や同僚からの「いじめ」や「ハラスメント」などが横行する社会へとなっていると考えられ、『精神的な豊かさ』はなくなっている。この講義で学んだことで私は、日本はムヒカ氏の『真の豊かさ』をリスペクトし、凝り固まった日本の思想を改めなければならないのではないかと考えます。2024年より日本は働き方改革により、物流関係や医療関係な都の働き方を変えていこうという国の動きがあるので、これを機に日本人の考え方も変わる必要があるのではないかと考えた。このようなことを考えさせられた講義であり、学びであった。

旭川市立大学大学院地域政策研究科修士課程地域政策研究専攻  2年 工藤 晴貴

 

私は大学院で「真の豊かさ」について学び、いくつかの気づきと変化を感じている。タグ・ハマーショルド財団の雑誌、1998年発刊「発展の対話」には、人間の尺度での発展—未来のためのひとつの選択」という論文が掲載されている。人間にとっての基本的必要と充足手段について魅力あるマトリクスが構成され、その方法論を使って社会を分析し、オルタナティブな社会と人間の発展のビジョンを作成する試みが報告されている。

興味深いのは、豊かさのカテゴリーに時間の概念である「閑居」(アイドルネス)が提示されていることである。私が考える「豊かさ」にも、静かに過ごす時間、本を読む時間など、一人になる時間がある。これは育児で疲れ切ったときに一番必要とした時間であった。一人になってゆっくりとお風呂に入ったり、映画を見たり、家族と離れて好きな時間を過ごすことを欲した。大切な人との時間を豊かに感じるのと同じくらい、一人で自己を見つめる時間も必要であると感じている。日々自分の描く目標や理想の生活に満足することは大切である。他者と比較せず、自分を良く知り、満たされた感情に気づくための静かな時間を過ごすことが「豊かさ」であると考える。

これまで、私は「豊かさ」を、「物の豊かさ」と「心の豊かさ」の2つに分類して捉えていたが、「思考の豊かさ」という考え方を再認識した。また、「豊かさ」を自分とその周りの小さな範囲を対象として考えてきたことに気づいた。今は、限りある地球の資源を大切にし、全人類が豊かに幸せに生き続ける社会を目指すことが、私たちの「豊かさ」であると考えるようになった。全世界や生態系レベルでの「豊かさ」を自分事として感じ、これからの社会に求められる「真の豊かさ」の価値はどこにあるのか、更に多くの考え方を学んでいきたい。そして、自分の住む北海道をイメージして、理想の社会を創造していきたい。

旭川市立大学大学院地域政策研究科修士課程地域政策研究専攻 1年  柏倉 早智子

 

「真の豊かさ」をブレインストーミングするためのKJ法

 

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