高校生の熱いドラマ!ラーメン甲子園2018(10月の話題)
日時:10月8日(月;体育の日)10:00~16:00(競技11:00~15:00)
場所:平和通買物公園5条フードテラス前
平和通買物公園で「ラーメン甲子園2018 in 旭川」を開催しました。今年で3回目を迎える本大会は、出場校が昨年の6校6チームから増え、7校8チームで熱いドラマを展開しました。今後の継続性を考え、今回から江口ゼミを中心に、「ラーメンの会旭川」のラーメン経営者や地元経済界の実務家の方々と本格的に実行委員会を組織して、私たちは企画から運営に至る事務局を務めました。当日は、時折、スコールのような雨が降る、不安定な天候でしたが、多くの方々の来場で大いに盛り上がり、大成功で終えることができました。
ラーメン甲子園は、地域の高校生が地元ラーメン店とタッグを組み、8月後半から約1ヶ月半の修行期間を経て共同開発したラーメンを、大会当日に実演販売して、試食者の投票数で優勝を決める「ラーメン競技大会」です。各高校は事前に仕込んだ最大350杯のラーメンを提供します。オリジナルラーメン開発の発想力に加え、当日4時間で最大なら時間当たり88杯を提供することになるため、チームワークや作業手順の工夫、あるいは精神的・身体的な持久力も必要となり、まさに「競技」と名乗るのがふさわしい大会なのです。
4月に実行委員会を立ち上げ、月1回のペースで会議を開き、8月には「出場校セミナー」を開催しました。会議で決めた大会レギュレーションは、①スープは豚骨の生骨から抽出(魚介等ブレンドは自由)、②味は醤油、③トッピングはチャーシュー・メンマ・ネギ・オリジナル一品(上川管内産食材使用)の4種、④事務局が提供する食材と麺を使用、⑤食材費は5万円以内、というものです。食材について、私たちは可能な限り地産地消を目指し、地元の業者の方に協力を要請して、発注・運搬・支払等は事務局で行うことにしました。
開催に当たっては公的な補助金には頼らず、地域の企業に食材や資金の協賛を募りました。いずれの企業も、物品は無償あるいは破格の価格で、資金提供も快く応じてくれました。以下の通りです。◎小麦:江別製粉㈱が道産小麦「きたのかおり」。◎麺製造:地元6社(旭川製麺・加藤ラーメン・佐藤製麺工場・須藤製麺工場・藤原製麺・三輪商事)。◎豚骨・精肉等:㈱島田畜産。◎ネギ:㈱大坪農園(江口ゼミOB)。◎ガス:旭川ガス㈱。◎厨房用具:㈱村山。◎運営資金:コープさっぽろ、ほか地元企業16社。みなさまに感謝申し上げます。
高校生は、8月8日に開いた出場校セミナーで「らーめん学」と称して基本的知識を学び、8月下旬からラーメンづくりの修行とオリジナルラーメンの開発に取り掛かりました。顧問のラーメン店主も非常に力が入り、普段お店で出すのとは異なるラーメンが完成していきました。スープ、チャーシュー、メンマの作り方や、麺の茹で方・上げ方、トッピングの仕方も習得していきました。そして、9月下旬に高校生発想による、まさに「オンリーメン」が完成、10月に入り当日用の仕込みをして、10月8日の大会に臨むという段取りで進みました。
江口ゼミは、4つの役割を担当しました。①「実行委員会事務局」として、議題整理、会議招集、議事録の作成。②「運営事務局」として、企業協賛の獲得、会場設営の手配、必要設備の準備、ポスター・チラシの作成、経費の会計処理。③高校生とラーメン店の「橋渡し役」として、修行への立ち会い、食材等の発注・配送。④「運営スタッフ」として、大会当日の手順作り、各校の修行状況を紹介する看板作り、会場設営、当日券販売、出場校のサポート、開会・閉会式の遂行。会場設営等は㈱北海道広告の方に力を借りました。
当プロジェクトは、10月8日が本番の大会でしたが、高校生も江口ゼミも当日までの準備期間が、実を言うと、陰に隠れた地味で熾烈な戦いでした。これが、江口先生の言う「ラーメン甲子園は、大会当日というより、そこに至るプロセス」の意味だと実感しました。当日は台風の直撃が心配され中止も視野に入りましたが、高校生や私たちの努力を認めてくれたのか、足早に過ぎ去ってくれ、晴れたり雨が降ったりのなか、大会を開催することができました。中止になったら、文字通り、全てが台風に吹き飛ばされてしまうところでした。
競技本番、高校生たちは、元気に呼び込みをし、必死にラーメンを作り、笑顔でお客に対応していました。ラーメンづくりを通して、私たち江口ゼミ生と同じく、ラーメンの奥深さと地域の魅力、仲間と味わう達成感を感じ取ってくれていたら嬉しく思います。旭大校吹奏楽部(私の後輩)も大活躍してくれました。入場行進から閉会式まで、また競技中に披露してくれた「甲子園応援曲メドレー」のミニコンサートなど、大会全体に渡って盛り上げてくれ、来場者はラーメンと音楽の共演を楽しんでいるようでした。後輩たち、ありがとう。
普段は寂しい買物公園5条が人で溢れ返って、旭川出身の私は嬉しくなりました。今回のプロジェクトで、地域の方々のラーメンへの思い、若者への期待、地元に注ぐ郷土愛、などを強く感じました。これらがなければプロジェクトは成功していません。協賛してくれた企業の皆様、実行委員に就任してくださった実務家の方々、監督として高校生を率いた担当の先生、そして顧問のラーメン経営者の方々、ありがとうございました。そして誰よりも、出場して熱いドラマを魅せてくれた高校生、お疲れさま。(旭川出身 2年生 岩井柊弥)
大会結果は以下の通りです。
【出場高校】:旭川永嶺高校、旭川実業高校、旭川大学高校、旭川農業高校A・B、旭川明成高校、上川高校、幌加内高校
【受賞高校】:旭川実業高校(優勝;最多投票数)、旭川大学高校(準優勝;次点投票数)、幌加内高校(審査員特別賞;審査員評価点)
【全投票数】:1,983票(ラーメン総販売杯数:2,100杯)