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田中ゼミ

第16回現代メディア研究会を開催しました

2023年10月12日 木曜日 / カテゴリー 田中ゼミ

 9月23日(土祝)、第16回現代メディア研究会を開催しました。今回は、NHK旭川局記者の山口琉歌さんがゲストとして参加してくれました。新しいメンバーが来てくれると、議論の幅が広がります。お忙しい中、都合をつけて参加してくださってありがとうございます! 

 題材は、映画『あのこと』(2021)です。1960年代、中絶が違法とされていたフランスで、優秀な大学生であるアンヌが予期せぬ妊娠に対応する物語です。ノーベル文学賞作家アニー・エルノーの自伝的短編小説「事件」が原作です。

 ディスカッションテーマは、①あなたが「私」の立場だったらどう行動しますか?と②「私」の身体は誰のものですか?でした。「私」とは主人公アンヌのことを指しています。

 テーマ①では、意見が分かれました。「学業は諦めて出産する」という意見でも、「実家に帰って両親に子育てを手伝ってもらう」人もいれば、「出産はしても実家には頼らず自分ひとりで何とかする」人もいました。「途中でもうだめだと思って、命を投げ出してしまうかも」という意見も出て、私にはない発想で驚きました。

 すでにキャリアをスタートさせている社会人からは、後悔しないよう行動する主人公と近い意見が複数出ました。1960年代当時のフランスで、キャリアを望む人の人生を思い描けており、またそれを具体的に言語化できていて圧倒されました。「自分の望む人生を歩むこと(あるいはそれを断念すること)」への解像度が違うと思いました。私は想像力に欠ける部分があるので、メディ研では解像度を上げていきたいと鍛錬しています。

  テーマ②では、「私の身体は私のものである」という意見や「自分と自分の赤子のための身体」や「パートナーの身体でもあるのではないか」とさまざまな意見が出ていました。途中、「パートナーは子どもを望んでいるが、自分は望まない場合、関係を継続するか」という話題もあり、それぞれのパートナーや元交際相手との話を聞かせてもらいました。これまで議論を積み重ねてきた安心感がある中で、経験に基づいた話ができる点もこの研究会ならではの魅力だなと改めて感じました。

 重い映画で、鑑賞直後はみんな疲れている様子でしたが、ディスカッションが始まるといきいきとしゃべり出していました。面白かったです。第17回の題材は、北海道立旭川美術館の「竹久夢二展」です。私は予定が合わず欠席しましたが、後輩が記事を書く予定です。楽しみにしていてください。

 

簡単に消化できない大変な映画でした

 

テーマ1が進んでいきます

 

普段仲のいいメンバーでも意見が分かれます

 

テーマ2へ

 

清水晶子先生の著作を引用しつつ

 

原作本やメモなどを手にあれこれ話しました

 

琉歌さん、ありがとうございました

 

また来てください!

 

『あのこと』、皆さんも元気な時にぜひ

 

4年 佐々木扶

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