第22回現代メディア研究会を開催しました
3月1日(金)、第22回現代メディア研究会を開催しました。題材は、アカデミー賞4部門受賞の話題作『哀れなるものたち』(2023)です。事前に劇場で鑑賞してくる形式にしました。拓殖大学北海道短期大学の小林秀高先生、本学短期大学部の椎名澄子先生、北海道立北の森づくり専門学院2年生の角藤誠さん、ネイリストの錦小夏さん、本学経済学部の近藤功庸先生、5名のゲストにお越しいただき豪華な回になりました!ご参加ありがとうございます。
ディスカッションテーマは、①「本」を手渡してもらったことはあるか?現在「本」を共有しているか?②ベラと共に「進化」できるか?③「切除」をどう思ったか?の3つです。たっぷり150分ディスカッションしました!
①では、主人公ベラが友人マーサから本を受け取るシーンについて話しました。ここでの「本」は、どこか自分の一部だと思います。己のアイデンティティにもなるものを他者へ共有する経験はあるかという問いでした。私は、このテーマを見た時にまずメディ研のことを思い浮かべました。田中先生と弥郁さんから作品を手渡してもらい、各自で解釈し、ディスカッションする。みんなで考えを共有する。そんなメディ研がぴったりだと思いました。初期メンバーである石川真白さんも同様のことを言っていました。
小林先生より「老婦人であるマーサから継承された点が気になります」という発言がありました。年長者から若い人へ、という発想です。「むしろ『年齢ではない』というシーンなのではないですか」「年の差があろうがなかろうが質問に対して誠実に受け答えすることが重要に思えます」と応答が行われました。メディ研ならではの応酬で見ていてわくわくしました。
②では、ベラと共に成長できるのかについて話しました。私は、この映画を見た時にベラの進化の速度を怖いと感じてしまいました。そのため、一緒に成長できる自信がありません。他の参加者は「成長できる!したい!」と言っていて、自分も胸を張ってそう言えるようになりたい…と思いました。
田中先生の解釈が面白かったです。「弁護士のダンカンは外へ連れ出してくれた人間ではあるが、早々に歩みを止めてしまった」「科学者のゴッドウィンは、一緒に旅をしなくともベラについて思考し続け、共に成長できた」「町医者のマックスは何もしていない」と主要キャラクターを捉えていました。
③は、日常生活における女性の軽視について話しました。椎名先生が大学時代の実体験を話してくださって、考える機会を得ることができました。男性の私は気づくことさえできない内に、女性は困難に対処していることを知りました。初対面の私たちにも話をしてくださり、ありがとうございます。「本」を渡してもらったと感じました。
大変面白い映画が題材で、ディスカッションの時間が長かったため、とても楽しかったです。今回で、一緒に会を運営してきた中心メンバーが3名卒業します。見送るのは寂しい気持ちです。いつでも遊びに来てください!
初参加のゲストにも躊躇なく切り込む
ンムッと聞く
差し入れのケーキを食べ進めつつ
大人同士のラリーの速度よ
専門学校の学生も来てくれました!
表情…!
ファシリテーターの田中先生と弥郁さん
考えている?
ありがとうございました!
3年 三上慶太