第23回現代メディア研究会を開催しました
4月27日(土)、第23回現代メディア研究会を開催しました。初参加メンバーは、熊谷文里さん、齋藤ゼミの中塚優也さんの2名です。田中ゼミ卒業生の佐々木扶さんと原田沙綾さんも遠方から参加してくれました。わ~い!
新年度初回の題材は、映画『オズの魔法使い』(1939)です。当日鑑賞し、ディスカッションを行いました。アメリカのおとぎ話として広く知られている作品ですが、「タイトルは知っているが内容は知らなかった」という参加者がほとんどでした。
1つ目のディスカッションテーマは、「あなたが好きな社会を描いた作品は何か?その作品において、何がどのようにメタファーとして取り扱われているか?」です。
『オズの魔法使い』は、子ども向けの作品でありながら、19世紀末のアメリカのイデオロギーが表現されています。ドロシーの人物像ではアメリカの伝統的な価値観が強調されており、黄色いレンガの道や靴までもがメタファーとなっています。
参加者からは、『キャロル』、『Barbie』、『PERFECT DAYS』、『正欲』、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などが挙げられました。社会的な背景に引きつけて作品について話すのがとても難しかったです!!
2つ目のディスカッションテーマは、「ゲイ・アイコンになるとはどういうことか?アイコンになる/ならないはどう決まるか?」です。
『オズの魔法使い』の主演を務めたジュディ・ガーランドは、ゲイ・アイコンとして支持されてきた人物です。薬物とアルコールに依存していたガーランドは、仕事、恋愛、結婚に失敗し続けました。ガーランドに自分を重ね合わせたゲイたちは、サヴァイブする彼女のことを熱狂的に愛し、応援しました。
こちらも難しい~!ゲイ・アイコンになる人物は、薬物中毒、アルコール中毒、短命であるというのがよくあるパターンのようです。それを踏まえて「そういうのもうよくないですか?」「マイノリティが不幸になるの、もう嫌じゃないですか?」という意見が挙がりました。
ディスカッションでは、宇多田ヒカルさんの名前が挙がりました。宇多田さんは、ノンバイナリーであることを公表しています。先日、共演していた椎名林檎さんの名前も挙がり、当事者性、本人の意思や運営の売り方などが複合的に絡み合い、ゲイ・アイコンになっていくかどうかが決まっているのではないかという話になりました。
今回のメディ研は、今までよりも咀嚼の時間が必要でした。知識が咀嚼の速度と精度を上げることに必要な要素と考えます。もっと勉強しなくては!と感じる回でした。みんなでじっくり咀嚼する、普段と雰囲気が違うメディ研も面白かったです。
初参加の優也さん、文里さんです!
大人組の強度のあるラリー
今回は補助教材としてクィア映画批評の論考が配布されました
「私の好きなハロプロもゲイ・アイコンなんですよ〜!」とアイドルの話をする田中先生
2023年度卒業生、すぐ来てくれました!(やった〜!)
今年度はクィアをテーマに勉強します
新1・2年生も気軽に来てください!
2022年度卒業生 石川真白