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旭川市立大学地域連携研究センター

旭川市立大学地域連携研究センター主催 2023年度 第3回研究会開催報告

2024年03月04日 月曜日 / カテゴリー 旭川市立大学地域連携研究センター, 地研ニュース

旭川市立大学地域連携研究センター主催 2023年度 第3回研究会開催報告

 

2024年2月19日(月)に旭川市立大学地域連携研究センター主催の2023年度 第3回研究会が開催されました。今回は「旭川市立大学地域連携研究センター共同研究プロジェクト」に申請された共同研究の中間報告が行われました。

第1報告は、短期大学部の豊島琴恵氏が代表を務める研究グループ(共同研究者:岸山絵里子氏、東郷将成氏、宮下史惠氏、峯後佳奈氏)より、「高齢者施設における咀嚼・嚥下のモニタリング」をテーマに報告がされました。当初は有料老人ホームでモニタリングを行う予定でしたがコロナ禍の影響で施設に行くことができず、デイサービスへ通所している高齢者へ変更し、口腔、食事、栄養の実態調査を行い健口体操、口腔ケア、食事への働きかけを実施したことが報告されました。モニタリングの結果、口腔機能、栄養状態の維持、向上は難しく、対象者に合わせた効果的な指導の必要性や継続的に働きかけることが地域の課題でもあり、大学の役割でもあることが提起されました。

第2報告は、経済学部の古松丈周氏が代表を務める研究グループ(共同研究者:村尾太久氏)より、「地域活動を通した歴史・法学教育:法による社会形成についての歴史認識の諸相を課題とした研究・教育活動」をテーマに報告がされました。この研究は、地域課題に即した共通テーマを設定した上で、報告者2名の専門領域である歴史と法の観点より学生の研究活動を通した問題意識の形成過程やいかにして地域活動に取り組むようになるかを分析・検討しようとするものです。具体的には、ジオパークを題材に地域課題をアプローチしていく予定であり、洞爺湖有珠山ジオパークと十勝岳ジオパークがフィールドの候補にあげられました。その上で、学際的な地域課題への取り組みのモデルケースの形成と方法論を提示し、地域課題の解決に貢献することを最終目的にすることが説明されました。

第3報告は、経済学部の勝又悠太朗氏が代表を務める研究グループ(共同研究者:佐々木 潔氏、杉村樹可氏、宮下郁男氏)より、「旭川圏経済の歴史的形成過程分析:「経路依存性」と「ロックイン」について」をテーマに報告がされました。この研究は、旭川圏経済の停滞の要因について歴史的過程をもとに明らかにしようとするものです。「経路依存性」、「刷り込み」、「ロックイン」という3つの視角をもとに分析を行うことで、単なる歴史的記述ではなく旭川経済圏の総体的な分析になることが説明されました。そして、この研究成果を統合経済地域論として展開し、旭川経済圏の発展に向けた指針作成にもつなげていく意図があることも示されました。

第4報告は、経済学部の田中晃子氏が代表を務める研究グループ(共同研究者:峯後佳奈)より、「拡張自己概念で捉える北海道東川町のまちづくり:リキッド化の物語と移住者の消費者アイデンティティ」をテーマに報告がされました。この研究は、雑誌記事分析を通じてメディアにより作り出された東川町の表象の変化を分析するものです。東川町はメディアで「おしゃれな家族」と表象されることが多く、そのアイデンティティを強化するアイテム(拡張自己)が配置されていることが提示されました。また、社会のリキッド化が進む中で移住者も増加しており、今後はこれらの関係性を消費文化理論(CCT)アプローチより検討していくことが説明されました。

各報告後にはフロアの参加者との活発な議論があり、最後に大野剛志地域連携研究センター所長より全体の総括がされました。今回の研究会には学内教職員だけでなく,学生や学外からの参加者も含め27名の参加がありました。様々な分野から「地域」に関わる研究報告があり,それぞれの専門分野の視点や問題意識,方法論を共有する有意義な研究会となりました。

 

文責:勝又悠太朗・工藤さつき(地域連携研究センター運営委員 研究会担当)

 

 

 

 

 

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