雨の中...春光台エコチャレンジ!CLEANGO(2023.6.3)
雨の中…『春光台エコチャレンジ!CLEANGO』/第2回の取り組み(2023.6.3)
栗田ゼミ(2~4年次)のテーマは『子どもと地域をつなぎ、未来を拓く』。
私たちのゼミでは、文献学習・プレゼンテーション、そして学年混合のプロジェクト活動を通して、「こどもが意見を表明でき、地域住民の皆さんがこどもの意見をしっかりと受け止め、こども中心の地域づくりを進めていくことができる仕組み」を模索しています。
昨年、春光台地区で抽出された最大の地域課題=「ゴミのポイ捨て問題」を確認するために開催された『春光台エコチャレンジ!CLEANGO』(2022.7.9/記事リンク)。今年は6月3日(土)に第2回を開催し、今年も栗田ゼミ全体として企画・運営に関わりました(春光台SOS安心ネットワーク主催)。
この企画は、小・中学生、地域住民が世代を越えて将来(2030年)に向けた地域づくりについて話し合う場として開催された2020年9月の『第1回春光台未来プロジェクト』、そして2021年11月の『第2回春光台未来プロジェクト』において、ゴミのポイ捨てが2年連続で地域課題として共有されたことがきっかけとなりました。
今年も、[ゴミ拾い(CLEAN)]と[ビンゴ(BINGO)]を掛け合わせたイベントの開催を通じて、地域の環境を改めて知り、子どもと大人が互いに交流でき、春光台全体で人と人とのつながりを広げていく…この企画に取り組みました。
今年は5月から、ゼミナールで昨年の取り組みを振り返ったうえで、各プログラムを担当する学年混合のチームを作り、学生間が交流を図りながら準備を進めていきました。
5月24日(水)には大学構内で6グループに分かれてゴミ拾いを実施(なんと合計2kg!)。そして当日のシミュレーションを行いながら、運営上の課題を話し合いました。
【画像(左から)グループ打ち合わせ(5/17)→学内でゴミ拾い(5/24)→学内最終打ち合わせ(5/31)】
地域の皆さんとも打ち合わせを重ねて、4週かけて学内で準備を行ってきました。なお、今回も、ゴミ拾い(CLEAN)に加えて、どのようなゴミが落ちているのかを予想してビンゴ(BINGO)シート(ダンボールの再利用)を作り、ゲームの要素を取り入れながらゴミ拾いを行います。
6月3日(土)午後1時。会場設営を始めたあたりから雨が強くなり、雨天でもこのまま決行するか、あるいは中止するか・・・。雨が止む気配はまったくありませんでしたが、今回は終了時刻を30分繰り上げる形で決行しました。このような悪天候の中、地域内のこども・おとなをはじめ、学校の先生方、地域外の市民の皆さん…100名近くの方が集まってくださいました。
【画像(左から)開会前→趣旨とルール説明(パネルは春光台フラワーロードの画像)→ダンボールビンゴカードの作成】
開会のあいさつ、ルール説明ののち、7グループに分かれて、30分程度ゴミ拾いを行った結果、「燃えるゴミ」1,335g、「燃えないゴミ」2,593g、「缶・ビン」922gとなり、合計4,850gのゴミが拾われました。最も多かったゴミはやはり「タバコの吸い殻」、次いで「プラスチックごみ」。ゴミ問題の根深さを改めて確認することができました。
雨天でのイベント開催は不慣れで、移動に時間かかったり、声が通らなかったり、段取りも変わったり、課題が多く残りました。住民の皆さん、春光・春光台地域包括支援センターの皆さんの支えと連携なしに開催することはできませんでした。その一方で、今回は、幼児、小学生、中学生、そして高校生の参加も多く、文字通りあらゆる世代の方々が集まり、盛り上がりました。
今回のエコチャレンジ!CLEANGOは、春光台地域で暮らすこどもから大人、そして地域外の皆さんの参加もあり、とても面白い取り組みになりました。地域のゴミ問題を「自分ごと」としてとらえ、その解決のために春光台地域のこどもから高齢者まで、各世代のつながりを作る、そして続ける…
これからの地域づくりは、多様な意見と視点を取り入れ、地域内の住民のみならず、地域外に住む人も積極的に参加し、「同じ空間で時間を共有する」。これをいかに実現するかが大切であると考えます。
イベント当日の結果、さらに発見・抽出された地域課題については、11月18日(土)に開催予定の『第3回春光台未来プロジェクト』で報告し、2024年度に向けてさらに取り組みを進めていきます。
現地での片づけが終わり、大学に戻ったころには、空にきれいな夕日が差し込んでいました。来年のエコチャレンジはぜひ晴れた日に!
【学生の声】
…講義で「地域の活動的な行事には毎回同じ顔ぶれだったり、若い世代が来ない」ということをデータを見て学んだが、この企画は、世代の偏りが少なく、開催を重ねるごとに参加者も増えている。(今まで)3年間の活動継続により、住民からの信頼を獲得し注目度が増加していることや、今回、「名前を見て面白そうだから参加した」という声も聞いた。活動を行う上で信頼度や周囲との協力、主催側の工夫一つで参加意欲も変化するのではないかと感じた。
…草の中にあるゴミや側溝の中で取りにくいゴミも最後まであきらめることなく取りきろうと頑張っているこどもの姿を見て、ゴミ袋だけを持って歩いていた自分も「もっと貢献できたら」と感じた。
…これらのイベントで達成感や満足感を得ることができたこどもたちは、参加する前よりも笑顔が増え、表情や気持ちが明るくなっている様子があり、本人にとっては無意識であっても多少の自己効力感を感じていたように見えた。その「自分にもできた」「自分がやった」という感情は自己肯定感の維持・向上にも影響するものであるため、こども自身が何かを成せるイベントに参加することの大切さを、春光台地区と関わったことで自分の目で見て学ぶことができた。
…この活動を終えて一番に感じたことは、ひとつの目標を達成することに向けてのゼミの団結力の凄さである。エコチャレンジを成功させるというひとつの目標に向けて、初対面であるということや、会話をしたことがないといったことは関係なく、一人一人協力し合い、意見を出し合い、形をどんどん作っていく。私はそれを目にして、ただ真っ直ぐに「凄い」と感じた。そして同時に先輩方のアイディアや知識の差に驚かされた。当日は「ゴミ拾いをして春光台をきれいにする」という目標に向け、地域の方も合わせた全員で団結してゴミ拾いをすることができた。人と「一緒」に何かをすることは自分にとってたくさんの刺激になるのだと感じた。このゼミが外に出て活動することを大切にしている理由がよく分かり、私の今後の活動に対しての意欲や考え方が変わった。
※『春光台未来プロジェクト』(2020~)/『春光台エコチャレンジ!CLEANGO』(2022~):2030年に向けた春光台の地域づくりに関する意見・提言、そして実践例などを発表してもらい、立場や世代を超えた住民「総がかり」でディスカッションを行う企画です。この未来プロジェクトから生まれた『エコチャレンジ!CLEANGO』は千歳CLEANGO実行委員会が始められた取り組みです(“CLEANGO”は登録商標第6678640号)。
※『春光台SOS安心ネットワーク』(2011~):認知症の方や障がい者が行方不明になったときに、捜索に取り組み、「安心・安全な春光台」を目指し活動する、地域の住民組織や高齢者、障がい者施設等で構成されたネットワークです。
地域住民が参加する行方不明者の模擬捜索体験や、今後の春光台地域を考える研修会も開催し、ネットワークを地域に広げる活動を展開しています。地域の将来を見据え、こどもたちが住み続けたい魅力ある地域づくりのために、活動の幅を広げています。