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田中ゼミ

第14回現代メディア研究会を開催しました

2023年08月25日 金曜日 / カテゴリー 田中ゼミ

 811日(金祝)、第14回現代メディア研究会を開催しました。メディ研発足以来、初めてのオンライン開催でした。田中先生の友人の重田萌乃さんと本田智子さんが参加してくれました。本州在住の方とは、オンラインでなくては話す機会がなかなかないため、貴重な時間でした。

 題材は、漫画『まじめな会社員』2021)第1巻です。この漫画は、主人公菊池あみ子の視点で、現代的な労働環境(サービス業/非正規労働)や人間関係についてリアルに描かれています。

 1つ目のテーマは、物事に正しく「反射」できるか?「ノリと役割」に対応できるか?です。あみ子は社会が求める正解に応じることが重要と考えており、他者と定型文をコピーして張り付けた会話をしています。職場では、ピエロのような変人役に徹しています。

 ディスカッションでは、「正しく反射するのは苦手」という意見が出ました。場を凍りつかせてしまった経験がある人もいました。他にも、「職場ではノリと役割に対応し、定型文をコピーして張り付けた会話をした方が楽」という意見が出ました。ここで、「正しさとは何か」という話になりました。作中では、社会における正しさのことを指しているようですが、正しさとは社会規範に従うだけではないという議論になりました。

 2つ目のテーマは、あみ子と沖野の会話をどう思ったか?です。あみ子は、新たに出会った沖野と食事に行きます。あみ子は定型文での会話を続けますが、沖野の「夢って叶わないじゃないですか(キラッ)」という発言に対し、「えっ?」と思わず本音がこぼれます。夢を追うか、現実の労働を粛々とこなすか、働きながら好きなことをするかを考える今っぽいシーンでした。

 「沖野は、この台詞を何度も使用していて、決め台詞とでも思っているのだろう。何もキマっていないが」という意見が出ました。あみ子に対しては、「思考と行動がリンクしておらず違和感がある」という意見が出て、両者にポジティブな意見が一つも出ませんでした。田中先生は、「あみ子はたくさん文化に触れてきた人で、魅力があると思うけどな」「働きながら好きなことをしてみようと決めて行動したのもかっこいいと思う」と言っていました。

 3つ目のテーマは、綾をどういう人物だと思うか?です。綾は、あみ子と同じ職場で働いており、急に金髪で現れたり、ラフな格好でいる日もあればおしゃれしてくる日もあったりします。また、あみ子と同様に本をよく読んでいます。あみ子が気になっていた男性と長く交際していたかと思えば、別れて海外留学へ行くことを決断するようなキャラクターです。

 ディスカッションでは、「綾のように考えることはあっても、実際に行動に移すことはできない」「行動力があって羨ましい」という意見が出ました。一方で、「あみ子からはこう見えても、綾は綾なりに生きづらさを感じているだろう」という意見も出ました。また、「綾は田中先生に似ている」という意見も出たので、田中先生を知っている人は本作を読んでみてほしいです。

 オンライン開催では、回線の問題がどうしても発生してしまいます。しかし、意見を出し合う楽しさは対面開催時と変わりませんでした。萌乃さん、智子さんとはぜひまた対面でもお話ししたいです。

 今回は、社会人組が学生組の参加人数を上回りました。卒業後もメディ研に参加できて嬉しいです。社会人として感じたこと、学生時代から変わらないこと、いっぱい話したいと思います。

 

萌乃さん、智子さん、ありがとうございます!

 

先生の友だちは面白い人ばかりです

 

2022年度卒業生 石川真白

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